静夏堂

個人的考えのまとめ。主に音楽や本や映画とかアートとかについて

すべての男は一人ぼっちである―ぼっち哲学論考

一人ぼっちのことを「ぼっち」と称し、ここまで広まるようになったのはいつからでしょう。 日常生活だけでなく、ハロウィンやクリスマスなどのイベントごとに、強烈な疎外感と孤立感を味わって、いつしかそれを自虐的に嘆き合う、というのはネット・SNS大普…

美しいものしか眼中にない人々―風立ちぬ・アバンギャルド夢子・春琴抄

「興味あるものしか目にしない」という人種がいます。 そのなかでも「美しいものしか眼中にない」という人がいて、自分のような間逆に目がいってしまう人間からしたら羨ましい限りです。 それはどんな人なのでしょうか? 人混みの駅で「美しい人」を見た時を…

カワイイとキレイの違い〜美醜について.1

「人より秀でた才能を挙げろ」と問われたら、自分は「醜いことを瞬時に発見すること」と応えます。ここでも何度か言及しましたが、自分には人の醜い所(イヤな所やマイナスな所)を察知してしまう能力が天才的にあります。検事になっていたら大出世間違いな…

なぜ自分は戦争モノが好きなのか?─最終兵器彼女と沖縄決戦

政治的なことを書くのはしばらく(というか、できればずっと)避けようと思っているのですが、戦争モノについて語りたい欲求が強いので、記しておきます。 まず自分は「戦争に関すること」が非常に好きです。「好き」というと語弊が生じるので、「興味が強い…

デモは手段に過ぎない ─ 国会前デモ見学記

前回の続きです。 反逆への熱狂と興醒め─60年代学生運動を通して - 静夏堂 さる7月15日、安保法案が強行採決され、それに反対するデモが国会議事堂前など各所で行われました。ちょうど自分は所用帰りに寄れる所に居たので、霞ヶ関駅で途中下車しその光景を「…

反逆への熱狂と興醒め─60年代学生運動を通して

反逆、というのが自分は非常に好きです。旧字体で叛逆と書きたいほど、胸が熱くなります。 思えば自分は、そんな叛逆や逆襲モノの作品が好きだったし、歴史で言えば独立戦争やフランス革命やロシア革命やキューバ革命といった事象に強い興味を示してきました…

Carry that weight ─ 安倍晋三氏への私見

政治に入り込むとバカになりそう、とかなり前の記事で書きました。これはあくまで個人的な直感にすぎず、政治に関わっている人が無能だということを意味しません。 むしろ最近は政治に関する本を読む機会に恵まれ、そこで学んだことは「冷めたピザ、サメの脳…

天安門事件とは何だったのか

1989年というのは、極めて象徴的な年です。 我が国では、1月7日に裕仁天皇が崩御し激動の時代「昭和」が終わりました。その後を追うように手塚治虫や美空ひばりなどが亡くなり、バブル景気に沸いた大納会の日経平均株価では3万8957円という史上最高値を記録…

『ビリギャル』はビルドゥングスロマン〜感想ネタバレ

久々に映画感想を。 『ビリギャル』を観ました。結構、面白かったです。 ただし映画としての厚みは、まさしく偏差値30ほど。 以下ネタバレ有りの感想を……といっても、タイトルからオチが分かるのでさして気にしなくても良いでしょうが。 ●実話(全てが実話と…

堂々と、書店について

本を買うのはもっぱらAmazon中心になっていますが、週に1回ほどは生書店に足を運ぶようにしています。 書店にゆくメリットは色々あります。 例えば「世の中は今どんな情況なのか」を掴みたかったら、書店にゆくのが最も手っ取り早い。かつ安上がりで真実に近…

僭越ながら、読書について-後篇

前回の続きです↓ 僭越ながら、読書について-前篇 - 静夏堂 ■文学齧り出し期 本を読み始めた頃、小説はあまり読まなかったと書きましたが、10代中頃から有名なものを背伸びして読んでゆきました。当時熱心に見ていた某個人系書評サイトがあって、そこで評価が…

僭越ながら、読書について-前篇

読書家になったつもりは一度もありません。 自分なんてのが読書家なんてとてもとても……と手の平を斜め上に出しては伏し目がちに言いたくなります。一方で「読書家やインテリなんかに、死んでもならんぞ」という変な反発心もあります。もはや絶滅しているであ…

平和学習は役に立ったか?ー思考止揚!

平和学習というのを、戦後生まれの人は皆受けているかと思います。 例に漏れず自分も小学生の時、平和資料館や防空壕を廻ったり調べたことを発表するなど、かなりの時間が割かれていたのを思い出します。戦時中の写真や映像、体験者の話などを通してその悲惨…

私撰高層建築物集・帝都TOKYO篇

建物はお好きですか?自分は大好きです。 建物にも色々ありますが、自分が特に惹かれるのは高層建築です。 最初に「建物としての建物」を意識し印象に残ったのが、高層ビルでした。横浜の幼稚園生だった時、遠足か何かで行ったみなとみらいで眺めた超高層ビ…

頭が良くなる ≠ 愛智

本ブログを開始してから、いつの間にやら1年が過ぎていました。 ありきたりな表現ですが、続けられて来たのも読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。 今年に入ってからは事情が重なったり意欲低下したりとペースが落ちているのですが、あくまで「自…

退屈と仕事という刑

人間は自由という刑に処せられている、とは実存哲学の旗手サルトルの言葉として有名です。この命題、ちゃんと理解するには彼の思想を掘り下げてゆかねばならず、自分も不勉強で根本的には分かっていません。が、その文学的表現にはしっくり来るものがあり、…

告知☆静夏堂レコーズ設立と豚プロジェクト

豚人-I'm Boo! - YouTube 日々、当ブログをご愛読して頂きありがとうございます。 自作や友人らの音楽や映像を扱う静夏堂レコーズというブログを立ち上げたのと、豚プロジェクトというのを始動したので告知いたします。 静夏堂レコーズ 静夏堂レコーズ 時折…

子供と魔法

大人のありようについて思索する上で、子供について考えるようになりました。 ここで言うのは、子供の社会的立場などに関することではありません。その目線と感覚についてです。また、「子供」と「子ども」という表記の使い分けについて長らく議論されていま…

『嫌われる勇気』読書感想文

『嫌われる勇気』を読みました。感想文を記します。 ビジネス、自己啓発系として2014年にかなり売れたそうで、書評もよく目にします。なので、そんな薄っぺらい類のかと思っていたら、結構頭を使った読み方が要求されました。 それでも一読した感想を一言で…

2015年賀正

あけましておめでとうございます。昨年から始めた本ブログですが、無事新年を迎えることが出来ました。すべては読者の皆様のおかげです。ありがとうございます。 新年早々昨年の事を振り返るのはあれですが、例年に無く変化があった非常に象徴的な1年でした…

文章が上手くなるには?

文章が上手い、と自分は一度も思った事がありません。記事を上げる度に「こんなもんじゃないッ!」という歯痒さを覚えロッカーを蹴りたくなります。超欲深い理想屋特有の症状です。 が、書くこと自体には苦痛を感じません。書きたい事が溢れ出してタイピング…

『天才スピヴェット』映画感想文

『天才スピヴェット』を観ました。面白かったです。自分が今年観た新作で上位に入ります。以下バレ有りの感想文。 自分は天才モノが大好きです。『アマデウス』『風立ちぬ』『ビューティフル・マインド』etc。天才への憧れとか、天才と凡人の差は何なのかと…

人を動かしたくなるのは何故か?-潜在的な3大欲求

政治家や官僚はじめ、何かを動かしたいという人々が居ます。名目上、世の為に動いている事になっており実際、どんなにクソ政治家と言われようがそんな志が無いとあんな立場に居られません。そして、彼らには2つの欲望が潜在的にあります。それは、支配欲と操…

大人になっても分かるな

大人になれば分かる、とはよく耳にし自分も時たま言われる事です。人生経験が豊富な目上の方からしたら、下の者の言動はどうしても幼く映ってしまう。でもオブラートに包んだ表現をしないといけないので、極力穏やかに諭されます。だから自分も、虚心坦懐に…

学校に置くべきマンガ

マンガとアニメが、最も影響力ある娯楽媒体と言えます。少子化で青年向け作品が量産されていますが、これらは基本的に子供のものです。影響力という観点からして、子供と大人では比でない。年端もいかない弟を持っているので、その強さを痛感しています。そ…

選挙ポスターと上手下手

衆院選の余韻が響いています。クリスマスプレゼントなのか、24日の第三次安倍内閣発足まで残響するでしょう。 そんな中、購読しているブログの1つである、ふのい倉津浦さんの『強靭化のすすめ』で面白い記事がありました。 。 - 強靱化のすすめ 小渕政権から…

意識が高い子供と大人の目線

批判的に何事も捉え、叩き散らすのが散見される世は人類史上初です。そんな世の中は決して良いものではありませんが、それほど特異な現象だとは思いません。人間なんてのは、いつの時代も愚痴をこぼし憂晴らしを探す生き物なのです。 そんな中、この頃目立つ…

『フューリー』『インターステラー』『エクスペンダブルズ3』映画感想文

最近観た新作映画の感想を記します。そんなにネタバレは無いと思いますが、未見の方はご考慮を。

笑いとダウンタウン

笑い、というのが自分の中で最も価値が高いものです。笑いこそ、人類最大の発明です。どんな音楽や美術や映画だろうが、笑いの前では平伏します。極端な話、命より高いです。もし「死ぬほど面白いのを得ると同時に死ぬ」と「笑いは無いが不老不死」のどちら…

村上隆と歴史に名が残る事と高額な美術作品

歴史に名が残る現代の日本人、で今のところほぼ確定的なのは美術家の村上隆とiPS細胞の山中伸弥教授の2人だと思います。 ここでの「歴史に残る」とは、50年後〜100年後の世界史の教科書に載る、という事を意味します。 なぜ残るのか?答えは、「開拓者、もし…

アニメの下克上とビルドゥングスロマンの終わり

アニメをリアルタイムで観ることが少なくなったのですが、最近映像を考える事情になりザッピング的にですが往年の名作を観たりしています。宮崎・富野の2大スターを中心軸に広げてゆけば、日本のアニメ史は一通り把握できるでしょう。 アニメ・マンガ等の所…

21世紀から見た、20世紀のアイコン

(アポロ8号が撮影した地球の出) 21世紀を経験してから13年経ちました。 超当たり前のことを記しますが、ここまで混沌と混乱と狂熱に満ちた状況は、人類史上かつてありません。この感覚は、百年前も千年前も古代も、逆に百年後も千年後のこれからも変わらな…

北野映画全レビュー4.現在編(2007~12年)

北野映画全レビュー、ラストです。 『監督・ばんざい!』『素晴らしき休日』『アキレスと亀』『アウトレイジ』『アウトレイジ ビヨンド』の現段階の最新作までです。

生徒会長的人間への嫌悪と回路の模索.人と人の間で生きることについて.3

(Photo by SZK) 人類嫌い、を誤解を恐れず公言している自分ですが、なぜそう考えてしまうのか内省したり、また人と接する機会にも以前と増して積極的に参加するようになったり、他者への理解とお互いの関係回路の模索等を自分なりにしています。この場で、こ…

北野映画全レビュー3.後期編(2001~05年)

北野映画全レビューその3です。 『BROTHER』,『Dolls』,『座頭市』,『TAKESHIS’』の4つです。 その1と2は↓を 北野映画全レビュー1.初期編(1989~93年) - 静夏堂 北野映画全レビュー1.初期編(1989~93年) - 静夏堂 北野映画全レビュー2.中期編(1995~99年) - 静…

北野映画全レビュー2.中期編(1995~99年)

北野映画全感想その2で、95年〜99までの4作品を。 『みんな~やってるか!』『キッズ・リターン』『HANA-BI』『菊次郎の夏』です。 その1は↓を。 北野映画全レビュー1.初期編(1989~93年) - 静夏堂

北野映画全レビュー1.初期編(1989~93年)

その映画監督の作品を全て観た、というのは今のところ北野武のみです。自分が北野作品に触れ始めたのは年甲斐もなく12,3歳の頃で、トラウマを覚えながらも拳銃とドンパチが好きになったり映画というものの面白さを知ったりしました。それから10年を経た今、…

『猿の惑星:新世紀』&『ジャージー・ボーイズ』映画感想〆バレ有り

『猿の惑星:新世紀』と『ジャージー・ボーイズ』を観ました。 どちらも、思ったほど面白く無かったです(自分にとっては!)。 以下、ネタバレ有りの感想。

好き?好き?大好き?ー人と人の間で生きる事について.2

(Photo by SZK) 基本的に、自分には友達が居ません。 ……と、よく口にしてしまうのですが、これには語弊があります。本当の所は「(自分が理想とする友達が)居ない」というのが正しいのです。 これは、極めて一方的で自己中心的でエゴにまみれたものです。…

祭りと祈り

祭りの季節です。うちの近所の神社でも、旧暦に合わせた例大祭が行われています。 自分は昔から祭りというのに惹かれて来ました。なぜかと考えてみると、やはりお正月や結婚式同様「ハレ」すなわち「非日常」を感じられるからだと思います。 祭り囃子が響き…

『ルーシー/Lucy』映画感想文〆ネタバレ有

リュック・ベッソンの新作『ルーシー』を観ました。 中々面白かったです。 久々にヴァイオレンスSFが観られたな、というか。 以下、ネタバレ有りの感想文。

英雄にあこがれて−三島由紀夫について.2

三島由紀夫についての私見その2です。 (その1については↓を) 英雄にあこがれて−三島由紀夫についての私見.1 - 静夏堂 英雄にあこがれて−三島由紀夫についての私見.1 - 静夏堂 ■果たし得ていない約束へ 自決までの、臨界点スレスレの三島の自分自身を使った…

英雄にあこがれて−三島由紀夫についての私見.1

ブルーハーツの曲に、『英雄にあこがれて』という曲があります。 おしまれながら死んでゆく 英雄にあこがれいばらの道を見つけだしクツをぬぎすてる あんまり平和な世の中じゃカッコ悪すぎる宣戦布告!手当たり次第そうです これが若者の… …といった歌詞です…

観光地の宿命−古都を巡って

(Photo by SZK) 京都と奈良という2つの古都を、数日ほど巡って来ました。両方共、初めての地です。 常々行きたいと思っていましたが機会に恵まれず、今回やっと足を踏み入れた次第です。 はじめに、総括的な印象を記します。 それは両地とも、「古都という…

『GODZILLA ゴジラ』&『ハンナ・アーレント』映画感想文

映画の感想文をいくつか書いて来ましたが、1本ずつ詳細に記すのにややバテ気味なので、しばらくは2,3本フラットにまとめて上げてゆきたいと思います。 また新作旧作は問わず、自分が直近に観た作品の忘却録とします。 では、目下劇場公開中の『GODZILLA ゴジ…

理想屋の憂鬱と快楽

(Photo by SZK) 理想が高い、というのは聞こえの良い言葉かも知れません。それには、大いなる夢と志を抱き高みを目指している精進的な人間、といったようなニュアンスが含まれているでしょう。 ですが、掘り探ってみればこれは「欲深い奴」とも言えます。 …

モノを書くということ─自発的か否か

(執筆中のアーネスト・ヘミングウェイ) 本ブログをはじめて数ヶ月ほど経ち、読んで下さる方も少しずつ増えて来ました。中には深く読まれている方や記事をブログにて言及される方(墓穴 - 強靱化のすすめ (ふのい倉津浦さんのブログ)もおられ、「自分の力…

『青天の霹靂』映画感想文 〆ネタバレ有

劇団ひとりの第一回監督作、『青天の霹靂』を観ました。 「劇団ひとりは天才かもしれない」と思わせた作品でした。 お笑い芸人、俳優、小説家として確かな地位を獲得し、今回の初監督作な訳ですが、これを「マルチな活動をしている」だけで表すのは不十分で…

エロ・グロ・ナンセンス+カオス−サブカルという死語的連綿体

(『さよなら絶望先生』第一期OP) 個人的な所見を述べますと、下北沢や中野ブロードウェイに代表されるようなサブカル店というのが、好奇心満たされて楽しいけれど、苦手です。正確に言うと、そういった表現やモノ自体は面白くて興味深いけど、「サブカル系…

『ハンナ・アーレント』読書感想文

ハンナ・アーレントの再評価ブームが見受けられます。 2012年にはアドルフ・アイヒマン裁判時の彼女を描いたのが映画化され、去年(2013年)は日本でも公開されて、キネマ旬報のベスト3を取るなど評判であったといいます。 (ちなみにこの映画、諸事情で自分…