静夏堂

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「ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!」刊行記念会感想 #2014/06/02

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タキングこと岡田斗司夫氏と、ホリエモンこと堀江貴文氏の新刊記念トークショーへ行ってきました。

両氏を生で観るのは初めで、とても期待していました。

会場はお台場のZepp東京(旧館)上にある東京カルチャーカルチャーという所で、100席ほどあるお店は満席。
客層は眺めた限り、男性7割女性3割ほどで、会社員風の30~40代あたりの年代層が目立ったように思います。

トークは、観客からの質問に両氏が答えるといった感じで進み、テーマは新刊通り「カネに執着しない生き方」がメインです。
回答率は堀江氏が大半で、岡田氏はその解説といった役回りでした。

■2人のローズウォーター

両氏の近年の活動から薄々感じていたのですが、彼らはリアルにローズウォーターなのだな、ということ。

ローズウォーターというのはカート・ヴォネガット著『ローズウォーターさん、あなたに神のお恵みを (ハヤカワ文庫 SF 464)』の主人公で、大富豪の子息ながら貧しい町で老若男女問わず無償で相談屋をする人物です。
この作品は、岡田氏が最も好きな作品だと挙げています。

「相談しにゆける著名人」が増えている中、注目度信頼性において両氏はそのトップに位置するでしょう。

以下、気になった質問、発言を記します。

 

Q「好きなもの、やりたいものが見つからない」

これは非常に恵まれた悩みだと思いました。
そのような悩みを抱いている人のことを、良い悪いと言いたい訳ではありません。
ただ、この国でしか浮かばない、他所の国ではまず耳にすることが無いであろう悩みだと思います。

それは、日本がいかに豊かで平和であることを象徴しており、かつ熟成しきった中、次のステップを踏んでいる最中が故におこる悩みだといえます。

堀江氏の回答は「積極的に行動しろ。ノリが大事だ」という極めてシンプルなもので、具体的なプランを提示していました。
確かに、それが一番合理的で普遍的な答えではあります。

ですが、質問された方はどうもしっくり来ないという感じ。

 

自分なりに考えてみると、先述の通り、これは極めて恵まれた悩みである。
物質的に豊かであるのは当然で、かつ「面白そうだなぁ、やりたいなぁと思っていること」の選択肢が桁違いにある。

つまり、「やりたいものが見つからない」というより「何かを取捨選択するのに悩んでいる」と捉えることが可能ではないでしょうか。

これは自分も実感として日々思うのですが、現代において取捨選択を行うというのはかなり難しいことだと思います(少なくとも一般人にとっては)。

「何かを食べたい。何にしよう」と思いレストランに入ったら、和食も中華もフレンチもイタリアンもファストフードもなんでもある巨大なメニューを前にした時のような。

だからこそ、堀江プランからすれば「とにかく、何でも良いから当たってゆけ」であり、岡田理論からすれば「そのために、積極性を少しづつ上げてゆく」という回答になるのでしょう。

Q「好きな事を仕事にしたら、嫌いになる」

これも恵まれた悩みの1つだと思うのですが、両氏はこの質問に対し「真面目すぎて、相手の要望に必要以上に応えてしまうから」という分析を提示しました。

堀江氏は「やりたくない事は、やらなければ良い」という回答で、これは徹底した自分中心主義です(自己中心とはニュアンスが違い、否定的な意味合いではありません)。

だからこそ堀江貴文という人は、ここまでやって来れたのだろうし、それを明言実行しているのには、ある種の潔さを感じたりもします。

ただ、これが出来るのは先天的なのが多少なりとも必要でしょう。
岡田氏は「その人に人格改造を求めてるんですか?(笑)」というツッコミを入れていました。

それに対し堀江氏は「そうです。ただちょっと思考を変えれば良い」という司令型特有の回答。

一理有りと納得はするのですが、やはり一般人の多くにはハードルが高いでしょう。

というのは、各々役回りがあり大義名分という意識が皆強いからです(堀江氏からしたら「そんなもん、型に嵌りすぎている」と返すでしょうが)

それでも「少しづつ自分が楽になる方法を模索すれば良い」というのが、両氏の一致した見解でした。

 

●20世紀型の「仕事」という概念に縛られない2人

両氏を経歴から今まで眺めていてブレない姿勢だなぁとつくづく思うのは、「自分のやりたい事しかしない。それが結果として、金なり評価なりに繋がる」です。

そして何より「生活のために、嫌々仕事はしない」。

つまり、20世紀型の「仕事」という概念に縛られていない。

だから、両氏のような生き方に憧れて、そうなりたいという人が多いのでしょう。

もし彼らが、やりたい事ばかりやって、どうしても生活のための金が必要となったら高収入なバイトでもして、空いた時間に自分のやりたい事を楽しんでやるはずです。

非モテ格差の解消

AKB握手会の事件に言及しつつ、非モテ格差について軽く触れていました。
「この非モテ格差は国家レベルで対応しないといけない問題。そして、これは僕らが解決役に立たないといけない」とのこと。

犯罪者というのは、圧倒的に男が多い。
なぜなら、男は憎しみを個人より社会に向けるから。
非モテ格差が広がることによって、その様な事件はさらに増し、社会機能が麻痺してしまう。

そのためには、どうするか?
両氏共、「システムから変えなくてはならない」というニュアンスの事を口にしていました。
「そのシステムを変えるには、まずコミュニティ作りから」というのが合致した見解でしょうが、まだ根探りといった感じでしょう。

 非モテを解消する個人が出来る行動として、岡田氏は「女は彼氏を3人作れ」、「男はとりあえず20人に告白しろ」を提唱しています。
当然、この戦略を採ると確実にモテるでしょう。

ですが、そこでもやはり当人の積極性がモノ凄く求められる。
だから、「積極性を上げるにはどうしたら良いか?」という質問が後を絶たない。

その積極性ですが、両氏ともにやはり「一つ一つ積み上げてゆくしかない」という回答で、多分これ以外無いでしょう。

その積み上げ方が十人十色なので、難しいわけでもある訳ですが。

さて、トークはあっという間に過ぎ、新刊と「いいちこ焼酎」がプレゼントされて終わりました。

サイン会があるのかなと期待していたのですが、岡田氏は「俺、サインしないよ」とキッパリ(堀江氏はするつもりだったらしいですが)。
なんでサインしないのかは分かりませんが、参加者からしたら記念になるから嬉しいんですけどね。

ただ、撮影録音はバンバン撮ってネットにバンバンアップされた方が自分に利が廻ってくれるからOKらしいので帰り際、岡田さんにお願いしたらすんなり対応してくれました。

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新刊である『カネに執着するおまえの生き方を変えてやる』の読書感想文は↓

『ホリエモンとオタキングが、カネに執着するおまえの生き方を変えてやる!』読書感想文 - 静夏堂