読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

静夏堂

個人的考えのまとめ。主に音楽や本や映画とかアートとかについて

北野映画全レビュー2.中期編(1995~99年)

f:id:shizukado:20141019201831j:plain

野映画全感想その2で、95年〜99までの4作品を。

『みんな~やってるか!』キッズ・リターンHANA-BI菊次郎の夏です。

その1は↓を。

 

『みんな~やってるか!』 1995年

f:id:shizukado:20141019201806j:plain

キタニスト以外観なくていい映画の1作目。批評家も自己評価もかなり低い模様(淀川長治は評価したとのこと)。たけし軍団で贅沢なお笑い映画を作った感じです(実際そうか)。映画にもなれずバラエティにもならず、中々の退屈具合を味わえます。本人の弁を借りると「お笑いにもならない映画」。ただ、主演のダンカンはじめ軍団のまんまコントやってる姿はさすが。特にガダルカナル・タカのアホ丸出しなパイロットは笑えます。

みんな~やってるか! [DVD]

みんな~やってるか! [DVD]

 

 

キッズ・リターン』1996年

f:id:shizukado:20141019203253j:plain

バイク事故からの復帰作および主人公が死な無い初めての作品。本作をベストにあげる人も多く、自分も好きです。

苦い青春映画だと言われますが、才能について描いた作品でもあると思います。その才能が開花したが故に付きまとう呪い。そしてマサルもシンジもそれに呪われ敗北する。

有名なラストシーンの解釈は分かれますが、自分はどちらとも取れると思っています。

終わっちゃいねえよ」はそのまま肯定的に取れもするが、逆に「永遠に始まらないかも知れない」。この対極として『3-4x10月』の「振りゃなきゃ始まらないよ」という台詞が脳裏によぎります。

あと印象的な台詞として、シンジの不良先輩ボクサーが言う「酒飲もうが、強い奴はどっちにしろ強いんだよ。弱いやつはどっちにしろ弱いんだ」というのがあります。これは下積み時代に、翌日舞台があるので今日は呑めません、と言った北野に対して言い放った先輩芸人がモデルとのこと。自分はそんな悪魔的誘惑に抗することが出来るだろうか、と考えさせられます。

また、久石のテーマ曲が抜群にカッコ良いです。極めてメロディアスなミニマル・ミュージック北野映画のテーマで最初に好きになった曲です。

ちなみに、昨年2013年に監督どころかキャストも変えた続編が公開されたそうですが、未見で基本的に観る気がおきません。

キッズ・リターン [DVD]

キッズ・リターン [DVD]

 

 

HANA-BI』 1998年

f:id:shizukado:20141019203348j:plain


ヴェネチアで金獅子賞を獲って国際評価を決定的にした作品。そして国内でも、映画監督としての北野武が日本人お得意芸である逆輸入的評価をもって「セカイのキタノ」と喧伝され出した作品。

ソナチネ』に磨きをかけたカッコよさと色彩の美しさ、そして写真をパシャパシャと切ったようなスカッとする編集。北野自作の絵が随所にでもさり気なく映っており、重要な少道具となっています。北野の父親の菊次郎は酔っぱらいのダメ親父だけど腕の立つペンキ屋だったらしく、その才能を受け継いだんだなと実感出来ます。

印象的なシーンとして、主人公夫妻が住むマンションの玄関に遊び放ったかされた三輪車があるのですが、たけし演ずる西は帰宅する度にそれを片付けます。確か2回ぐらいそんなシーンがあって、3回目では最初からちゃんと片付けられているカットがさり気なくある。これは暴力的とされる北野映画には、実は一貫として「道徳性」が内包されているというのを最も象徴している所かと思います。

HANA-BI [DVD]

HANA-BI [DVD]

 

 

菊次郎の夏』 1999年

f:id:shizukado:20141019204740j:plain

おそらく北野映画の音楽で最も有名で、久石譲の代表曲ともなっている『Summer』がテーマ曲です。その名の通り「夏休み」を描いた作品。

最初観た時はあんまりだったんですが、最近観直してみると中々良い感じかな、と。松本人志がこの映画を評した際、「主演の子供がブサイクなのが良い」と言ってましたが、確かにその通り。ちなみにこの子役は現在、鉄道員となったらしくこの作品に出た事が影響したと語っていました。

また今のところ、親子揃って安心して見られる唯一の北野映画だと思います。(多分そこら辺も計算済みなんだろうなぁ。さすが理系出身で数学者志望だった人)

菊次郎の夏 [DVD]

菊次郎の夏 [DVD]

 

 

北野映画全レビュー。