読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

静夏堂

個人的考えのまとめ。主に音楽や本や映画とかアートとかについて

私撰高層建築物集・帝都TOKYO篇

f:id:shizukado:20150419215642j:plain

物はお好きですか?自分は大好きです。

建物にも色々ありますが、自分が特に惹かれるのは高層建築です。

最初に「建物としての建物」を意識し印象に残ったのが、高層ビルでした。横浜の幼稚園生だった時、遠足か何かで行ったみなとみらいで眺めた超高層ビル群。それが原体験となり刷り込まれているのかも知れません。

以下、日本一高層建築がある東京に絞り、個人的に印象が強いものについて記します。

東京タワー

f:id:shizukado:20150419215933j:plain

建物を見る時、自分は3つの視点を持ちます。それはデザイン性、文脈、そして構造。

デザイン性つまり見た目の印象は、誰もが抱くかと思います。文脈というのは、建てられた時代背景や誰が設計したかを絡めてみる。構造面は、何階建てでどんな素材を使っているかとちょっと専門的に見る。

東京タワーというのは、これらの要素を読み解くのに最適です。

まず見た目ですが、純粋にキレイでカッコイイ。富士山を目にした時と似た高揚感を覚えます。たまに浜松町駅あたりを通った時など電車の窓から見えたりしたら「東京に来た!」という感じでワクワクします。

間近で眺めると、これでもかと言わんばかりにぐにゃりと広げた塔脚とその鉄の絡み合いに吸い込まれます。これはスカイツリーでは味わえません。

文脈と構造面で見ると、まず鉄材が朝鮮戦争後にスクラップされた戦車が使われているというのは有名です(もちろん全てで無く特別展望台より上の一部分)。

そしてなにより、戦後復興と繁栄に願いを込められた最も象徴的な建造物であるということ。その願いが叶ってゆくさまを、電波で届けていった。

ちなみに、東京タワーといえば赤のイメージですが、塗装が定期的に行われています。なので、その時期によって色合いが違う。中でも大展望台の外壁は今では白ですが、かつては黄赤色でした。その当時の写真を見る限り、個人的にはそっちの方が好きです。

f:id:shizukado:20150419220706j:plain


西新宿超高層ビル

f:id:shizukado:20150419220751j:plain

10年近く前、自分は西新宿界隈に住んでいた時期があります。その頃の複雑でレモンを生で齧ったような記憶が重なったりして、非常に思い入れ深い地域の1つだったりします。

この辺りは不思議な所で、ビル街からちょっと離れれば小ぢんまりとした古くからの民家が密集しています。琥珀色した公園や小中学校がポツリポツリとあり、近くではコンクリートで護岸された神田川が流れ、ふと見上げれば灰色の超高層ビル達が空を埋めつくしている…そんな光景。

これらビル郡が出来る前は淀橋浄水場というのが一帯を覆っていました。それが移転し、1971年に京王プラザホテル(178m地上47階、当時日本一の高さ)が登場。これを機に、怒涛の勢いで建てまくります。

ビル好きにとってはメッカに近い西新宿なので、ベストを出すのが難しいです。京王プラザ〜東京都庁までの、つまり1970年代〜90年までに出来たのは大体好きです。でもあえて選出するならば、野村ビル(210m 50階 1978年)かなぁ。

f:id:shizukado:20150419221310j:plain

住友、三井、センターなどの同時期建造物と比べて、スマートでスラリとした印象があります。多分、窓ガラスが鮮やかな青緑色で、サンドイッチみたいに真ん中が圧縮され自然に突起しているように見えるデザインだからだと思います。

堂々とした風格と構造面では、KDDIビル(164m32階1971年)を選びます。

f:id:shizukado:20150419221519j:plain

通信網の中枢だけあって、強度は国内最強レベルだろうというのが素人目でも分かります。下層分に窓が無いのも面白い。

ああ、でもやはりセンチュリーハイアット(今はハイアットリージェンシーか)と第一生命ビルのツイン線対称で煉瓦色で周りと比べて背が低いのも良いし、ヒルトンの風に吹かれた波みたいな感じも良いし、NSビルのレインボー感も良いし、何だかんだで「バブルの塔」東京都庁もそそる…。とまあ、やはりキリが無くなります。

この界隈は相変わらず開発され続けているそうで、未来予想図を実現し越えてしまった今後、どう様変わりするんでしょう。相変わらずゴチャゴチャな渋谷よりは期待しています。

 

六本木ヒルズ森タワー

f:id:shizukado:20150419221731j:plain

2000年代から現代に至るまでを最も象徴する建物といったらこれ。

地上げ蔓延るバブル期に計画され小泉竹中構造改革まっただ中の2003年に完成した、IT長者を代表とする銀箔の宮殿。

これらを背景に本ビルを読み解く上でのキーは、53階の森美術館にあります。

数千〜数億する美術品達が、超企業が各階に居座る天下の六本木のビルの頂点に散らばっている。「美しい」とされるものが最上層にある。つまり、世の中は平等ではなくピラミッド構造で出来ている格差が絶対にある、というのを思い知らされるのです。

(ちなみに、ビル最上層階にある美術館として西新宿損保ジャパンビルの東郷青児記念美術館があります。かのゴッホのひまわりを58億で買った絵がある所です。「東郷青児記念」と称しているものの、実質そのゴッホを拝むがためにあるような所だったりします。)

 

そんな世の中を直に反映した六本木ヒルズですが、建物としては非常に好きです。00年代以降に建てられたビルでは最も好きと言って良い。ライトアップ時なんか眺めるとディズニーランドに来たような気分になります。

高さは238mで近くのミッドタウンよりは10mほど低いですが、巨大感はこっちの方があります。目の前で眺めると「ぶっといなぁ〜」と毎回思ってしまいます。

書いていて、花の都大東京からTOKYOへと横文字に様変わりするのを反映した高層建築紹介になってしまいました。帝都と銘打っていますが、単に言いたかっただけです。いずれ本当の帝都時代だった時に出来た名建築についても記したいと思います。日銀本店とか三井本館とか三越高島屋とか(日本橋界隈ばかりだ)。


自分にとっては高層建築とは「カッコよくて」「キレイで」「スゴい」ものでしかありません。で、そんなのを眺めていると無性に「ぶっ壊したい!」という破壊欲求に駆られてしまいます。不謹慎に思われると困るのですが、ロマンチシズムに呪われ夢想癖のある人間は十中八九、頭の中で壊滅する様子を鮮明に描いては1人興奮しています。これは表現者に顕著であり、そうしないと金閣寺ゴジラウルトラマンエヴァも作れません。

もちろん、テロや震災を経てその惨状を知っているので、現実ではいつまでも変わらぬ光景を眺めていたいとは強く思いますが。

 

身近でこれらを眺められた際の、ちょっとした参考になれば幸いです。

 

世界に誇れる東京のビル100

世界に誇れる東京のビル100